カクテル☆レディ

by詠月(SELENADE)





七瀬:こらぁ!浩平あたしみたいな素敵なレディを捕まえて
    『年増』とはどういうことなのよ!!

浩平:ほほう、ちゃんと自覚してるじゃないか
    流石に『乙女』を名乗るにはキツイか? その年じゃ

七瀬:五月蠅い!、また殴られたいの
    まきざっぽがあればコワイ物知らずのこの私に!

浩平:はっ、そんな脅しにのる俺では無いわ!

七瀬:いいわ…だったら、勝負よ!

浩平:ぼっこぼっこにしてホテル連れ込んで
    ぎゃあぎゃあ言わせちゃるからなぁ(にやり)

七瀬:ふ…甘いよ…

カシャカシャッ!(すらりと延びる三段式警棒)

浩平:…そいつは……キツイ…ぜ……(後半ビブラート)

七瀬:怯えてるわね…ふふふ(悪魔の微笑み)

浩平:レディにそんな無粋な奴は似合わないな、
    むしろこの場合、魔法のステッキのほうが…

七瀬:うっさい!!…成敗してやるレディの敵めぇ!!

浩平:なあ…プールでの勝負にしようか

七瀬:ええ、キューの方がリーチが長いから突きがしやすくていいわね

浩平:あくまでそっちなんだな……

七瀬:うんっ(にっこり)……………覚悟!!













七瀬:どうしたのさ、浩平、さっきから黙りこんでばっかりでさ

浩平:………

七瀬:いかすレディに、いかしたバー、
    こういう時こそ…男のしゃれた口説き文句が生きるのよ♪

浩平:…喋りたくもない…

七瀬:ねえ、カクテル飲もっか(聞いてない)

浩平:お前、俺の口の中がどうなってるか分かってるのか…

七瀬:どうなったの?

浩平:ブラッディマリーは飲みたくないんだ…

七瀬:そうね第一、沁みて沁みて飲めないか

浩平:知ってていうなよ…

七瀬:ああら残念、一緒に飲みたかったんだけどなぁ〜

浩平:…分かったよ…その代わりおごってやるよ、それでいいか…

七瀬:え、ホント!

浩平:ああ…

住井:お客様、なにになさいますか

七瀬:ね、モスコミュールなんかどおかなぁ

浩平:…モスコ……ミスコーウ♪ドスコーウ♪モスコーウ♪ディースコウ♪……
    …ダイキリだな…彼女に…

七瀬:何、その呪文?
    加えてなんでそっからダイキリ?

住井:かしこまりました

浩平:但し! 少々レシピを代えて欲しい…

住井:どのように?

浩平:ザクロのシロップで、な

住井:…お客様…それはいわゆる…

浩平:いや、レモンハート151で、だ

住井:…では、アレではないんですな?

浩平:ピンクダイキリとはいいたくない気分だ

住井:確かに。151ではグラスをピンクに染めるのはちょっと難しいでしょうな





七瀬:わぁー…赤くて綺麗…

浩平:ただでさえ赤みの強い151だからな…飲んでみな…

七瀬:うん、遠慮せずに戴くわね
    ぐびっ…

浩平:お…

七瀬:ぐびっ…ぐびっ…
    …ぷはっ!…おいしー!!

浩平:驚いたな…てっきり吹くとおもってたが…

七瀬:ふふ〜ん、甘かったわねぇ〜













七瀬:おかわり〜〜

浩平:ずいぶん飲んだな…もう何杯目だ…

七瀬:だって気に入ったんだも〜ん

浩平:時に、マスター…

七瀬:こらこらぁ、突然話から降りるな〜

住井:何でしょうか?

浩平:ダイキリに用いるラムをバカルディのにして、
    シュガーをグレナデン(ザクロ)シロップに変えると…

住井:バカルディ…ですな

七瀬:こ〜う〜へ〜い〜、無視しないでよぉ

浩平:バカルディはバカルディ社のラムを使わなければならない…

住井:そんな裁判の判決もあったらしいですな

浩平:だから当然これは…

住井:バカルディではないですなぁ…ま、普通はピンクダイキリと言われますな

七瀬:ピンクのカクテルなんかより…
    ピンクに火照った素敵なレディのほうがイカスわよ〜〜
    きゃははは〜〜

浩平:しかし、そもそもこのレシピはバカルディ
    もっとしっくりした名前が欲しいな…

住井:どのような…?

浩平:この女に似合いの名前がいい…

七瀬:女いうな!レディよレディ!!

住井:なるほど…では……バカ・レディ…とか?

浩平:ピンポーン!!

七瀬:なによそれぇぇぇぇっっ!!!(しかしすでにへべれけ、151はキツすぎ)






☆ちゃんちゃん☆





あゆ:ね、えーくんてさ、カクテルほとんど飲まないんでしょ?

詠月:いや、サントリーのカクテルバーならハマったことがあるよ

あゆ:は…恥ずかしい〜〜

詠月:そりゃ僕の方だってば…

あゆ:で、モスコミュールででてきた変な呪文なんだけど…

詠月:「MOSKOW DISKOW」 TELEXというベルギーのバンドの曲だよ
    KRAFTWERKをポップにしたよな感じだね

あゆ:マイナーなんでしょ、TELEXもその曲も

詠月:少なくとも日本では…でも越美晴(コシミハル)を知っていれば

あゆ:その人も知らないよ普通

詠月:彼女の「シュガーミー」もよい

あゆ:話が逸れかかってるって、
   今訊きたいのはなんでダイキリなのかってこと

詠月:聴けばわかるさ

あゆ:はぁ、…じゃ151は?

詠月:151プルーフ、アメリカ式だとプルーフは200分率を表す
    だから151/200で75.5%、75.5度のお酒ってこと。

あゆ:それ滅茶苦茶高いんじゃない?

詠月:うん、そうだね。でもジュースで薄めるからもっと低くなるよ、
    ダイキリもバカルディもお酒3、ライムジュース1の割合ってわけで
    度数はさらに3/4、まあ75.5度ってのもほとんど3/4だから…

あゆ:3/4×3/4=9/16、ええと…0.5625…56度くらい
    濃すぎるってばさ! これでも!

詠月:いいのいいの、
    イブくらいこんな感じで無茶してる方々もいるだろうしね

あゆ:じゃあ、この後の展開は…

詠月:浩平の性格からすると多分
    …奴が最初に言った言葉通りだねぇ

あゆ:…はぁ〜ぁ…ほんとにイブに出していいのかなぁ…こんなの…

詠月:いやぁ、先に読ませたHIROさんも激喜んでいるみたいだし、いいんでない?

あゆ:「オヤジギャグ〜!」ってね(爆)



2000/12/24UP


二次創作 SSに戻る


感想メールはこちらに→eigetsu@diana.dti.ne.jp